かつて、海苔の養殖が盛んに行われ「海苔のまち」として知られる浦安。海苔漁師が減少する現在も、“良質な海苔”を扱う町として多くのファンがいます。そんな浦安の海苔産業を支える1軒が、浦安駅の近くにある「丸茂海苔店」です。浦安で生まれ育った3代目の丸茂一城さんが、「いらっしゃい」と、元気な声で迎えてくれました。「とてもかわいがってくれた初代の祖父が亡くなる年、私に『3代目を頼む』という言葉を残したと聞いて、小学校5年のときに海苔屋になることを決意しました(笑)」
初代が80年前、墨田区押上で創業し、1947年には浦安市猫実に移転。その6年後には「浦安魚市場共同組合店舗」にも出店。36年前から現在の場所に。4階建ての建物は、1階が店舗、2階から4階が作業所、海苔倉庫・資材倉庫になっていて、2代目、3代目をはじめ家族で経営しています。
こちらの海苔は38年前から、国内で唯一、大相撲東京場所、名古屋場所、大阪場所の相撲みやげとして取り扱われています。「中学生の頃から国技館の仕事を手伝うようになり、相撲案内所にも出入りをするようになりました。お茶屋さんの番頭さんや出方さん、業者仲間からは“ジュニア”と呼ばれ、かわいがってもらいました。率先して手伝いをすることで注文も徐々に増えていきました。30年通っていますが、風情のある、昔ながらの粋が味わえる場所です」
現在では、国内で2%程度の生産となってしまった希少な千葉県産の海苔。黒、飛、混、青の4品種があり、11月から1月は、その年の採れ始めの“新海苔”が味わえます。「千葉の海苔は、うまみと香りが格別! これからも海苔漁師さんととともに千葉のりのおいしさを追求し、お客さんの期待に応えられる海苔を提供していきたいと思っています」