手挿しで染める「型小紋」は色の奥行きが魅力
6メートルほどの細長い板に白地の反物をぴんと張り、模様が彫られた型紙を使って防染用の糊を置く「型付け」の作業。型紙1枚分が終わると、型紙を真横にずらして、反物全体に糊で模様を付けていきます。息を詰めるような作業に集中するのは、「三橋工房」6代目の三橋京子さん。娘の延子さんとふたりで、江戸時代から続く型小紋を継承しています。
色に奥行きを与える手挿しの工程。半幅帯の生地は、紬(つむぎ) のような質感の綿生地が多いそう
型付けを2回繰り返した後、「染めは手で一つひとつ色を挿していく『手挿し』が型小紋の特徴です」と京子さん。生地に付けた模様の上に、数色の染料を使って、完成図を頭に描きながら染めていくと言います。「帯を締めたときに立体になると、手挿しによる色の奥行き感を感じていただけると思います」
表裏で柄が異なるリバーシブル半幅帯。モダンな糸切り鋏の柄は、江戸時代に初代 が考案したもの
京子さんのご主人が亡くなり、義父の跡を継いだときは、すでに着物離れの時代。「もっと手軽に着物をお召しいただきたくて、工房にたくさんある図柄を活かし、綿の半幅帯を作ってあちこちに持っていきました」と当時の苦労を振り返ります。その後、小物も増え、固定客もついてきました。現在は都内の百貨店などに期間限定で出店。その色鮮やかでかわいらしい魅力に触れてみてはいかが?
工房の伝統の意匠を活かした小物も豊富
先祖代々伝わる 伊勢型紙を 使っています、と三橋さん
住所 | 〒132-0032 東京都江戸川区西小松川町29-11 MAP |
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電話 | 03-3653-5581 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 土・日・祝日休(イベントの期間は変更の場合あり) ※イベント情報などはホームページにて |
URL | http://mitsuhashi-kobo.com |
その他 | 見学/不可 |