Photo/Saori Kojima
Text/Ayako Futatsuya
「なぜ金魚の町なのにインコなのかというと、単純に私がインコを飼ってるからなんです」。少しはにかんだような笑顔を見せてそう言ったのは、生まれも育ちも船堀のみゆきさん。船堀の町を元気にしたい、たくさんの人に知ってもらいたいという思いを込めて、「★船堀インコ★」と名付けた手作りの鳥グッズを制作・販売しています。
インコのかわいさを伝えたいと考えたみゆきさんは、まずその手段を考えました。「前々からブログを書いていますが、文字や文章で伝えるのが苦手で(笑)。絵を描くことも好きなんですけど、やっぱり立体で、ふかふかの温かさを表現したいと思ったんです」。色とりどりのフェルトで作られたインコたちは、軽くて、やわらかくて、個性豊か。一つひとつ手作りしているのでそれぞれ表情も違い、手に取ると愛着が湧いてきます。
子どもの頃からいつもそばには動物がいたみゆきさん。インコはもちろん、犬や猫を飼っていたこともあるせいか、「動物を見かけたら話しかけちゃいますね」と笑うほど動物好きに。そんなみゆきさんがインコを選んだのには、もうひとつの理由が。「昔は、インコは小さくて手軽に飼える一方で、鳥の病院があまりなかったんです。体が弱ってしまった子を助けられず、悔いが残ってたのかもしれません」。今は医療も進歩し、以前より安心して長生きさせられる環境になったそうです。「もう一度大事にしたいと思って飼い始めたら、もうかわいくて(笑)。人間の言葉をマネするので、自分の口癖がよくわかります」と声をはずませます。
★ 船堀インコ★ を作り始めて6年目。最初の頃は名字と勘違いされて“船堀さん”と呼ばれたこともあったそうですが、「船堀にはタワーホールも、近くには動物とふれ合える行船公園もある。私の癒しスポットは健康ランドです!」と地元愛にあふれるみゆきさんはまさしく“ 船堀さん”の異名がぴったり。名産の「小松菜」や、「相撲」をモチーフにした作品など、地域を意識した制作活動を続けています。
「私の作るインコは“100%かわいい”ではなくて、ちょっととぼけた感じなんです。でもインコって、本当にそういう顔をしているんですよ」と愛おしそうに語るみゆきさん。心を込めてひと針ずつ縫ったインコたちとの別れはちょっぴり寂しいけれど、願いを乗せて1羽、また1羽と巣立っていくのを優しく見届けます。
※記事内容は2017年7月時点のものです
住所 | 〒134-0091 東京都江戸川区船堀4-2-4 MAP |
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電話 | 03-3877-5313 |
営業時間 | 10: 30 ~18 : 30、火・水曜13 : 00~ |
定休日 | 日曜・祝日および不定期 |
URL | https://plaza.rakuten.co.jp/tougarashimiyuki/ |
ミニブローチ500円~、チャーム800円~ 詳細はHP「船堀インコ」にて検索。