Photo/Saori Kojima
Text/Hiromi Onda(Listen)
ビーフシチューや仔羊のローストなど、クラシックなフレンチをベースにした欧風料理が、ゆったりとコースで楽しめると評判のレストラン『キャトルセゾン』。腕を振るうのは、第一ホテルに26年間勤務し、海外店で総料理長も務めたシェフの野武照男さんです。接客を担当するのは奥様。19年前に夫婦で那須高原に店をオープンして8年後、奥様の家族が暮らす葛西へ移転してきました。
こちらで子供から年配の方まで大人気の一皿が「ハンバーグステーキ 黒こしょうソース」。ステーキに刻んだ青こしょうを塗ってオーブンで焼く、ステーキ・オウ・ポワブルベールを発展させたオリジナルメニューです。葛西はファミリー層が多いので、家族みんなで召し上がってほしいと思い、ハンバーグのアレンジを考案したそう。高温のオーブンで焼きあげた特製ハンバーグは肉汁があふれてとてもジューシー。「隠し味にドライシェリー酒を入れ、肉がソースになじむように工夫しました。また、ソースには、さまざまなこしょうを試した中で、いちばん香りがよかった黒こしょうを使っているんですよ」。辛みが立たないようにつぶして、シェリー酒とブランデーで煮詰め、生クリームでまろやかに仕上げます。肉のうまみに、クリーミーなソース、こしょうのスパイシーな香りがマッチして絶妙な味わい。
野武シェフは、子供の頃から、レシピなしでパンケーキを作るほど料理に関心があったそう。『天皇の料理番』のモデルで知られる秋山徳蔵氏に惹かれ、「こんな仕事をしてみたい」と、本格的に料理の道を志したと言います。プロの料理人になって45年。今では、お店も誕生日や七五三、古希など家族の節目の祝いに欠かせない存在です。「那須の店のお客様で、移転後の葛西へ通ってくださる方もいらっしゃいますね。当時は高校生で親になったとき、子供が生まれた記念に家族で来店いただいたこともあります。長く続ける中で、お客様の人生とも接点が持てる。それが嬉しいですね」。素敵な町のレストランは、これからも家族の大切な思い出を紡いでくれるでしょう。
※記事内容は2015年11月時点のものです
住所 | 〒134-0083 東京都江戸川区中葛西3-2-4パルコーポ101 MAP |
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電話 | 03-3689-9888 |
営業時間 | 11:30~14:30(L.O.13:30)、18:00~21:30※要予約 |
定休日 | 火、第3水曜 |
その他 | アクセス/葛西駅中央口より徒歩5分 メニュー/ハンバーグステーキ 黒こしょうソースランチセット1620円(ポタージュ、パンまたはライス、アイスクリーム、コーヒー付き) ※カード可(ディナーのみ) |
【編集担当/osa】
料理にもサービスにも、手間を惜しまないご夫婦。その優しい空間についつい長居したくなってしまいます。ゆっくり食事をする時間がないという方はテイクアウトを。ハンバーグはお昼にお弁当としてお持ち帰りもできますよ