Photo/Saori Kojima
Text/Hiromi Onda(Listen)
亀戸の閑静な住宅街に建つ『チョークアート メランジュ』は、チョークアーティスト・梁順南(ヤンスンナン)さんと母の李廷淑(イジョンス)さんのアトリエです。梁さんはここで作品を制作するかたわら、母とともに週4回レッスンを開いています。
耳慣れないチョークアートとは一体なんでしょう?「もともとはオーストラリア発祥で、飲食店の看板やメニューボードにイラストやレタリングを描いたのが始まりです。オイルパステルという画材で100種類近い色を使い分け、指の熱で色を溶かし混ぜながら、立体感あるグラデーションで描きます」。黒地に鮮やかなパステル色が美しく、最近ではウエディングボードや表札としても人気だそう。
梁さんは教室のほかにも、専門学校で教鞭を執るほか、展示会にイベントにと引っ張りだこ。大忙しの娘さんを母が支えます。「親子だからかタッチも似ていて、共同で作品を描くこともよくあります。なかなか人には任せられないけど、母となら」と信頼を寄せる梁さんに、「一緒に描くと絆も深まるよね」と母は嬉しそうにほほえみます。
仲のいい母娘の温かい空気も手伝って、3 年前に始めた教室は女性を中心に大人気。梁さんの作風と優しい人柄に惹かれ、地元だけでなく遠方から通う方も多いそう。「皆さん、絵を描くのが楽しくて、忙しい毎日でもレッスンの時間は癒されるそうですよ」。一方、面倒見のいいお母さんは「ママ先生」と呼ばれ親しまれています。「私はもっぱら励まし役 (笑)。レッスン後、コーヒーを飲みながらとことんお話しすることも」。アートで癒され、困ったときは親身になってくれる、ここはほっとひと息つける町のオアシスのようです。
今年の夏は地元の小学生にチョークアートを教えるイベントを開催、20人以上が集まりました。「絵を描いているとみんな笑顔になります。いろんな方にチョークアートを知ってもらって、その楽しい気持ちを味わってもらえたら嬉しいですね」。居心地のよいアトリエは、今日もみんなの笑顔を作りだしています。
※記事内容は2015年10月時点のものです
電話 | 080-7710-6266 |
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営業時間 | 火・金~日 11:00~14:00 |
URL | http://www.chalkartmelange.com |
その他 | 料金/体験コース(3時間)4500円 お申し込み/chalkart_melange@yahoo. co.jp |
【編集担当/osa】
見ているだけでワクワクする母娘の作品。取材の後、「お仕事大変でしょう?」とケーキと温かいコーヒーを出してくださった心遣い。おふたりと過ごす時間こそ生徒さんたちのエネルギーになるのだと思います