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葛西駅から歩いて約10分、宇喜田東公園近くの住宅街にある「西葛西出版」。葛西・西葛西に多いということでモチーフにしたかわいらしいペンギンの看板が出迎えてくれます。生まれも育ちも葛西という中村慎太郎さんが「葛西・西葛西を文化の発信地へ」という想いを込めて立ち上げた出版社。そこに至る経緯もユニークで、バイタリティあふれるお人柄です。

「区立葛西小学校、葛西中学校を卒業して安田学園高校に進学したのですが、赤点が７つという成績。このままではだめだと一念発起して浪人して東大を受験して合格しました。大学院ではアワビの研究をしましたが中退し、その後は興味のあったライターの道へ。WEBに掲載していたサッカーの記事が出版社の目に留まり、『サポーターをめぐる冒険』を出版。サポーター目線のサッカー本ということが評価され、サッカー本大賞2015を受賞しました。作家業を続けながらブックカフェの店員やタクシードライバーをしていたのですが、まさかのコロナ禍。時間もあったことから、YouTubeで経営学を学び、起業をしようと決意。出版社ってたくさんの人の人生を広げるもので、自分も魅力ある著者を生み出す出版社をつくりたいと思い、2021年9月にスタートしました。うちの出版社は大学みたいな所。今５名の著者の書籍を手がけていますが、YouTubeで作っている様子を見せたり、読者も参加したりと新しい感覚で本を作っています」

みずからもサッカー観戦を通して取材した『＂サッカー旅＂を食べ尽くせ！ すたすたぐるぐる』を発刊したほか、健康とダイエットをテーマに掲げ、サッカー観戦の旅LOGをまとめた著書『君がJリーグを認めるまで、僕は歩くのをやめない』を今秋に出版予定。また、料理を作るのが好きで、会社のテラスで、塊肉のBBQや、市場で新鮮な食材を仕入れて、自分たちの食べたいものを食べる会を実施。仲間たちとの交流の場にもなっています。

「地元葛西の名前を冠した出版社にしたのは、地域密着の理念を掲げるＪリーグと同じ地域への想いなんです。実際に江戸川区のサッカーチーム東京23ＦＣを応援しています。今東京23ＦＣは関東サッカーリーグ１部で１位なんですよ(※取材日現在)。皆さんもぜひスピアーズえどりくフィールドに応援に行ってください！」
　熱い地元愛を持ちつつ、今は動画にいちばん力を入れているという中村さん。その果てしない野望や活動はYouTubeでチェックしてみて。